たちかわ散歩
「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念の展覧会
2021年も目が離せないPLAY! MUSEUM。
「かおてん.」に次いでスタートしたのは「がまくんとかえるくん」シリーズでおなじみの絵本作家、アーノルド・ローベルの日本初の展覧会です。
今回こちらの「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念アーノルド・ローベル展の内覧会にお邪魔してきました!
アーノルド・ローベルという人物像と作品
アーノルド・ローベルは1933年にロサンゼルスに生まれ、ニューヨークのブルックリンで創作活動を行ってきました。1987年に短い生涯を閉じるまで、生涯通じて100冊もの子ども向けの絵本を描き続けたそうです。
「がまくんとかえるくん」シリーズの「おてがみ」は現在小学2年生の教科書にも採用されており、知られていなそうで、実はよく知られている作家です。
そんな彼の生涯を、作品と共に見ることが出来るのが今回の展覧会の魅力とも言えます。
MUSEUMに入ってまず最初に見られる着ぐるみ姿のローベルからは、穏やかで遊び心ある人柄などが伝わってきます。
ローベルの作品の絵は本当に様々なタッチで描かれており、展覧会で作品を見ることで驚きと感動を覚えました。
彼は全ての作品において、的確に手を使い、物語に合わせたイラストレーションを完成させています。
今回展覧会の空間デザインを行った齋藤名穂氏がコメントされていましたが、本当に多彩な表情を持った表現をする絵本作家がアーノルド・ローベルです。
「がまくんとかえるくん」だけじゃない!作品の数々。
早速展覧会会場へ!
前半は「がまくんとかえるくん」以外の作品の原画・スケッチが約100点、公開されています。
1962年の作家デビューより前、1955年(22歳)からの作品が並びます。
作品は時系列ではなく、ローベルが子どもの頃に感じていた【個性ってなに】【人ってどんなもの】といった葛藤を表現したものや動物を主人公にしたもの、イラストレーションの仕事など1~5章に分けて紹介されています。
イラストレーションの仕事では、既にある物語に対してどんなイラストをつけるのか、画風のバラエティ、原作ありきの絵の在り方、表現を楽しんでいたそうです。
各章の紹介の弾幕にはローベルの人柄と作品が結びつく言葉が書かれ、彼の生き方と作品を並行に見ることが出来ます。
そしてこの会場内、子ども目線で楽しめる工夫があります。
各所にある動物の足あと。
これらはほぼ原寸大で、ローベルの作品に動物が多く登場することから遊び心としてちりばめられているようです。
ローベルの自身の言葉
画力に自信はあるけれどお話を書くのが苦手だった
会場内には作品以外にもローベルの晩年までの写真や絵が飾られた場所があります。
家の中でどう振舞っていたのか、子どもたちとどう接していたのか、その一端がギュッとまとめられた場所です。
真ん中にあるモニターでは8mmビデオで撮影した家族との生活を息子のアダム・ローベル氏が編集した15分程度の動画が流れます。それと同時に聞こえる英語のスピーチは、権威ある絵本賞のひとつ、コールデコット賞受賞時のローベルの肉声で、子どものための作品を作ることについてコメントしています。
この一画で、アーノルド・ローベルという人を垣間見ることが出来、より深くこの展覧会を楽しめるキッカケになりそうです。
ようこそ「がまくんとかえるくん」の世界へ!
後半、「がまくんとかえるくん」の世界に向かうトンネルがあります。
描かれたアザミの花がどんどん大きくなり、私たちががまくんとかえるくんサイズになっていくガリバートンネルです。それに沿って「がまくんとかえるくん」の「おてがみ」を読むことが出来ます。
その先には「がまくんとかえるくん」シリーズの4冊の絵本スケッチが約100点並ぶ空間が広がります。
広い展示スペースには、目新しい段ボール製の展示ケースが並びます。
この展示ケースはがまくんたちの世界に入り込んだような多面体の組み合わせで、岩などを抽象的に表現したのだそうです。
展示ケース内のスケッチには、編集者の提案やそれに対するローベルの回答などの情報が描きこまれており、「がまくんとかえるくん」シリーズが誕生するまで、を見ることが出来ます。
制作の裏側が見られる機会はなかなかないもの。とても興味深い展示です。
会場内ではモデルでエッセイスト、ラジオのパーソナリティも務める華恵さんによる「ひとりきり」の朗読を原文の英語、日本語で聴くことができます。少し目を休めて耳を傾けてみる時間も心地が良いですね。
がまくんとかえるくんが動いてる!!
そして、この展覧会の見どころの一つ、絵本の中で見ていたがまくんとかえるくんがなんとアニメーションに!
アニメーション作家の加藤久仁生氏により、がまくんとかえるくんに息が吹き込まれた3分程度のショートムービーを見ることが出来ます。
加藤氏は、絵本を読むときの楽しさを失わないように、「がまくんとかえるくん」の日常、お茶を飲んでいる時間のような部分を動かすことで作品を見たときの想像力を膨らませる助けになるように意識して、アニメーションを作り上げたそうです。
仕上げに大変苦労されたそうで、出来るだけ絵本の雰囲気は残しながらもアニメーションの良さを共存させる、モノクロの感じ、タッチを生かしながら色をつけることの難しさがあったそうです。
ローベルの息子さんと娘さんにこちらのアニメーションを送ると一切修正はなく、大喜びだったそうです。
「がまくんとかえるくん」のオリジナルショートムービー「一日一年」
今回のお土産は「おてがみ」
PLAY! MUSEUMは来場者への「おみやげ」も楽しみのひとつ。
*有料利用者のみ、未就学児など無料観覧者はおみやげのみ購入可能
第一弾は特製封筒入りオリジナルカード。4種から1種をランダムに1つ貰えます。
「がまくんとかえるくん」の物語が来場後も続きます。
ぜひ大切な人へ「おてがみ」を書いてみてはいかがでしょう?
そして2月中旬からはおみやげ第二弾が用意されるようです。
お土産の特製封筒入りオリジナルカード
画像提供:PLAY!
今回展覧会を巡って、貴重なスケッチなどを見られるだけでなく、あまり知りえなかったアーノルド・ローベルという一人の絵本作家の半生についても知ることが出来たように思います。
子どもたちは、可愛いイラストや仕掛けを楽しみ、大人はより深くローベルを知るきっかけとなりそうな展覧会でした。
ぜひご家族で、友人と、一人でじっくりとアーノルド・ローベルの世界を訪れていただきたいです。
ワクワクしちゃう!オリジナルグッズとカフェメニュー
展覧会後はPLAY! SHOPとCAFEへ。
何とも愛らしいがまくんとかえるくんのぬいぐるみ他、様々な会場限定オリジナルグッズが販売されています。
また、CAFEでは「ともだちサンドウイッチ」や「かたつむりくんのロールケーキセット」など展覧会メニューも楽しめます。
ALONE TOGETHER=ふたりきり
仲良しのがまくんとかえるくんをイメージしたグッズ
PLAY! PARKでも関連ワークショップが楽しめる
展覧会に合わせてPLAY! PARKにもがまくんとかえるくんのお話に触れられる遊び場や、ワークショップが登場しています。
中でもワークショップ「がまくんのぼたんはどこ?」は毎日開催。
オープン時はいつでも遊ぶことができます。
こちらのワークショップは、アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズの『ふたりはともだち』「なくしたぼたん」のおはなしに関するワークショップです。色とりどり、サイズも様々なボタンの中からがまくんが落としてしまったボタンを探し出そう!
もう一つのワークショップは「わたしたちもともだち」
当日定員を超える場合、参加は抽選、事前予約は不要の日替わりワークショップとなります。
小さな自分を作って、がまくんとかえるくんの物語の中へ。がまくんとかえるくんの絵本を読みながら、壁に自分を貼り付けて大切な人たちとしたいことを考えます。
展覧会を見終わってからも、余韻を感じながらお子さんと出かけてみてはいかがでしょうか。
PLAY!施設情報
PLAY!
〒190-0014
東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3
Tel:MUSEUM 042-518-9625
PARK 042-518-9627
現在緊急事態宣言発令に伴い、2/5(金)まで営業時間が下記の通り短縮されていますのでご注意ください。
MUSEUM | 平日10:00~17:00(入場は16:30まで) 休日10:00~18:00(入場は17:30まで) |
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PARK | 平日10:00~17:00(入場は16:00まで) 休日10:00~18:00(入場は17:00まで) 12:30~13:00、15:00~15:30は館内消毒のため一時クローズ |
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SHOP | 平日10:00~17:30 休日10:00~18:30 |
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CAFE | 平日10:00~18:00(L.O 17:30まで) 休日10:00~19:00(L.O 18:30まで) |
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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。