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松戸の老舗特集

夏祭りとともに、その人は家に帰ってくる。

■やしま商店【1】


夏祭りとともに
その人は家に帰ってくる。



夏祭りが、あの街この街で、人々を集めて盛況である。
人々に、胸騒ぎや心の高ぶりをさそうものが「祭り」にはある。
街を遠く離れていた懐かしい人々も、ひさしぶりに顔をそろえている。

「祭り」によって、人と人も、ここで出逢い、ふれあって、きずなを結び、家を代々引き継いでいく。
わが街に生まれ、この地に住み、働く人と人がふれあい、結びつく。
「いま生きていることの歓喜」を、祭りで分かちあう。
夏祭りを彩る提燈(ちょうちん)が、風にかすかに揺れている。

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やしま商店は、江戸・享保年間(1716-1735年)の創業。
八嶋正典さんは10代目になるという。
享保といえば、御三家・紀州藩から就任した8代将軍・徳川吉宗が、改革を推進した時期である。

開幕以来、経済の安定と成長を続け、貨幣流通量も急増したが、
紀州藩での財政再建につとめた吉宗が、徳川宗家の養子(家康=吉宗の曽祖父)となり、
幕府権力の再興につとめ、増税と質素倹約による幕政改革、新田開発などの公共政策、
市民の意見を取り入れる目安箱の設置、などの享保の改革を行った。

江戸時代以降の歴史のなかで、この享保年間の頃と幕末に、江戸へと人はさらに集まったという。
「やしま商店」初代も享保年間、西国から この地に移ってきたという。
当時から「やしま商店」は、水戸街道の松戸宿で、提燈(ちょうちん)や傘を製造、販売していた。

以来、三百年に及ぶ歳月が流れすぎていった。
提燈は、現在に至るまで、広く寺社や各地域の祭礼などのさまざまな行事で使われている。

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「祭り」はまた、命・魂・御霊(みたま)をなぐさめるもの。
そしてお盆は、神道と仏教が習合して現在に伝わる<先祖崇拝の祭り>である。

お盆の13日夕刻、迎え火(むかえ-び)を焚き、家紋入りの提燈で故人を迎える。
わが家で、いまは亡き父母と、祖父母と、…語りあい、過ぎし日々を想い、深く感謝する。

人が亡くなり49日法要が終わってから、次に迎える最初のお盆を
「初盆(はつぼん・ういぼん)」「新盆(にいぼん・しんぼん・あらぼん)」といい、特に厚く供養する風習がある。
16日、送り火で故人を送る。
故人の記憶と感謝の気持ちがあるかぎり、亡き人は家族ひとりひとりの心のなかに生き続ける。

家紋や名前入りのお迎え堤燈(12,000円より)は、
家族の心のなかに生きる大切な人をあたたかく、やさしく迎える灯(ともしび)である。

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やしま商店
[住所] 松戸市本町6-3 [アクセス] JR・新京成線 松戸駅西口より徒歩5分
[電話番号] 047-369-1470 [営業時間] 9:30~18:30 
[定休日] 火曜 年末年始

提燈(ちょうちん)の製造・販売/正月の羽子板・破魔弓、ひな祭り、鯉のぼり・武者人形。また、結納品など祝儀に関わる商品。/まねき猫、だるま、福助、などの縁起物。
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★取材こぼれ話。

取材のなかで、地口行燈(あんどん)の話から、落語の話になった。
八嶋さんは、先年、故人になった立川談志がよかった、と語ってくれた。
落語にとどまらず、講談も語れるところ。
若い頃からテンポの良さ、メリハリ、構成力を賞讃されていた。
特に『源平盛衰記』が印象に残っている…。
それに関連して、林家正蔵を継ぐことなく逝った昭和の爆笑王・林家三平の『源平盛衰記』も良かった、と懐かしそうに眼を細めて語ってくれた。

老舗、そして松戸には、落語が似合う。
松戸には、東京よりも江戸の香り、昭和の名残りを感じさせるものがある。

松戸の老舗の特集企画のなかで、ややスピンアウトとはなるが、
落語について、これから何らかものを考えてみようと思う。

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